第20回分子科学討論会 会長挨拶
分子科学会は、多種多様な分子やその集合体が示す性質や機能を理解し、それらを活用する「分子科学」を探求する研究者のコミュニティとして発展してきました。理論、実験、計算、分光、材料、生命科学、データ科学など幅広い分野をつなぎ、学際的な交流と協働を促進する場を提供しています。現在、約1500名の個人会員と23社の賛助会員を擁し、多様な研究領域の発展を支える学術基盤として活動しています。
本学会の中心的行事である分子科学討論会は、会員はもとより、「分子科学」に興味をもつ幅広い研究者が一堂に会し、最新の研究成果を発表し、活発な議論を行う場です。例年1000名以上が参加し、発表講演数は600~800件に上り、招待講演、奨励賞受賞講演、優秀講演賞・優秀ポスター賞選定、高校生によるポスター発表、企業展示、懇親会など、多彩な企画が実施されます。こうした討論会を通して、「分子科学」という学問は毎年深化し、拡大を続けています。
第20回となる記念すべき本討論会は、東京科学大学の大島康裕実行委員長を中心として企画・運営されます。今回は、分子科学会初の試みとして、実行委員長の所属機関やその近郊以外の地域での開催を実現し、島根県松江市の産業交流会館くにびきメッセを会場として、2026年9月15日(火)から9月18日(金)までの4日間にわたり開催いたします。松江市は、宍道湖に面した豊かな自然と、古くからの歴史文化が調和する魅力あふれる都市です。落ち着いた湖畔の環境と充実した会場設備は、参加者が深く議論し、新たな研究の種を育む場所として最適です。また、本学会として地方開催に取り組むことで、全国各地からの参加を促し、分子科学コミュニティのさらなる裾野拡大につながることを期待しています。
第20回という節目の年にふさわしく、本討論会が新たな研究領域の創出、異分野融合の加速、若手研究者の育成、そして産学連携の深化につながる契機となることを願っています。皆様にはぜひ第20回分子科学討論会にご参加いただき、多様な分野の研究者との交流を通じて、新たな「分子科学」を発見していただければ幸いです。
2025年12月
分子科学会第10期会長 中井 浩巳

