[分子科学会速報21-144] 金沢大講演会のご案内

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[分子科学会速報21-144]  金沢大講演会のご案内
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速報発信者:三浦伸一(金沢大学)


金沢大講演会のご案内

講演会のご案内

以下のセミナーを金沢で開催しますので気軽にお越し下さい。また、同時にZ
oomでも中継もします。興味のある方は以下のリンクからご自由にアクセスし
てください。登録等必要ありません。なお、本講演会は日本物理学会北陸支
部特別講演会との合同開催です。

【第18回凝縮系理論コロキウム】
講師:森下 徹也(産総研・主任研究員)
日時:令和3年12月16日(木) 16時45分より
場所:金沢大 自然科学5号館 2講
Zoom link:(Zoomでの同時中継)
     https://us02web.zoom.us/j/88347408712?pwd=Sk91bnF0cDYzK2FsOVFmd29GdTc4QT09
     ミーティングID: 883 4740 8712
     パスコード: 574937

題目:時間依存主成分解析による構造転移の解析とサンプリング

要旨:
分子動力学(MD)シミュレーションは,物理化学や生体分子,材料科学など
の様々な分野で活用されているが,特に凝縮相の相転移や,生体分子のコン
フォメーション変化の解析に威力を発揮している.最近ではこのような構造
変化の検証に,限られた数の変数(collective variables (CV))を用いて,
現象を包括的に理解する試みもなされている.本講演では,主成分解析(PCA
)を拡張することで,系の時間発展に応じて適切なCVを決めるアプローチに
ついて紹介する.
通常のPCAでは,注目する変化を含むシミュレーション全体のデータから共分
散行列を構築して,主成分(固有)ベクトルをユニークに評価し,固有値の
大きい数個のベクトルに基づく低次元のCV subspaceを構築することで現象を
解析する.しかしながら通常のPCAでは,構造変化に伴う前駆的な構造揺らぎ
や,連続する小規模変化を同定することは難しい.実際には,このような前
駆的な揺らぎは相転移の誘起メカニズムの理解に重要であり,また段階的な
構造変化により初めて機能を発現する生体分子もある.
そこで我々は,従来のPCAでは検知しづらい “構造発展に応じて時間変化す
る揺らぎモード” を抽出できる「時間依存PCA(TDPCA)」を開発した.これ
により,相転移現象の誘起メカニズムの理解が促進され,さらにバイアスM
D計算と融合させることで,レアイベント・サンプリングの加速も実現できた.
講演では,水の結晶化と粗視化タンパク分子のコンフォメーション変化にTDP
CAを適用した例を紹介し,TDPCAの有効性を議論する.
(参考文献)T. Morishita, J. Chem. Phys. 155, 134113 (2021).

問合せ先 数物科学系 三浦 伸一


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分子科学会速報
発行:分子科学会
http://www.molsci.jp/index.html
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